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ご縁を撮る



ご縁に生かされている。
信号が青に変わるまでの短い時間で、そう思った。

ワイパー跡がまだ白く残り、雨上がりの匂いが薄い。
撮影帰りの機材は少し重く、心は少し軽い。

わからないことをわからないと言える人。
手柄を分け合える人。
そういう人たちと一緒に働けることが、日々の温度を少し上げてくれる。

宍戸さんとも、不思議な縁でつながっていた。
あとになって、同じ高校の後輩だと知った。

宍戸さんは、まず耳を澄ます人だ。相手の声が止むまで待てる人。
目線の高さを合わせ、言葉を急がない。そのまっすぐさを、僕は信頼している。

応援は、言葉よりも画で示したい。
光と影を誠実に拾い、余白に嘘を置かない。
これは技術の話というより、姿勢の話だ。
人が人に向き合うとき、どんな距離で立つか。
その距離感を僕は大切にしたい。

撮るときの小さな約束が三つある。
ひとつ、居心地のいい嘘を足さない。
ひとつ、光で答えを急がない。
ひとつ、意図は一行で。

この土地で撮ると、選べる“余白”が多い。

雪が降れば音が吸い込まれ、夏は夕立の匂いが先に立つ。

その移ろいが、画の温度を少しだけ変えていく。
僕はその温度差を、そのまま連れて帰りたい。

どうして自分はこんなにも優しい人たちに囲まれているのだろう。
技術を磨いて恩返ししたい、ずっとそう思ってきた。

でも本当は、別のかたちでも返せる人でありたい。
写真や映像で、言葉にならないやさしさを手渡したい。
撮ることで、その人の “ まっすぐ ” を少しだけ守りたい。

僕らしい歩幅で、縁をそっと育てていく。

深く見つめ、あたたかく、ていねいに。
今日の光にも、ご縁にも、静かに感謝を。